600世帯がひしめく超密集落/海界 篠島(愛知県)
An Island of Ultra-Dense Settlement with 600 Households / Walk around the island village, Shinojima(Aichi Prefecture)
知多半島の先端近くに浮かび、三河湾と伊勢湾の双方に臨む篠島は、周囲約9km、南北に細長い形をした島である。最高点は標高48mと低いものの起伏に富み、平地の少ない地形が島の集落形成に大きな影響を与えている。天然の良港に恵まれ、古くは伊勢と三河を結ぶ海上交通の要衝として賑わった。現在も沿岸漁船漁業を中心とした漁業が盛んであり、近年は観光業にも力を入れている。島内には史跡や名所が多く、『万葉集』には
「夢のみに継ぎて見えつつ小竹島の磯越す波のしくしく思ほゆ」(柿本人麻呂)
と詠まれ、古代から人々の心象風景に刻まれてきた島である。
南知多町の日間賀島・篠島、西尾市(旧一色町)の佐久島の三島は、互いに肉眼で家並みを確認できるほど近接しているが、集落景観の印象は大きく異なる。佐久島は黒板壁と瓦屋根による伝統的な集落景観が残る一方、日間賀島と篠島ではカラフルに塗装された下見板張りの民家が多く、高い密集度を示している。さらに日間賀島と比較すると、篠島はより起伏に富み、観光色の強い日間賀島に対して、漁業の島としての性格がより色濃い。平地が乏しいため、昭和30年代には島の北側で大規模な埋め立てが行われ宅地が造成されたが、三島の中では過疎化が最も進んでいない島とも言われ、漁村としての活気が感じられる。
港は時代とともに北へ移動し、町も埋め立てとともに拡張してきたため、平地部の町並みには時代の重なりを読み取る面白さがある。一方、起伏のある丘上の集落では、路地が迷路のように入り組み、集落ウォッチングとして巡る楽しさに富む。斜面に建つ家々の多くは、土台から張り出すような形式をとり、狭い路地幅を保ちながら居住空間を確保しようとした工夫が見て取れる。それが集落全体に三次元的な複雑さを与え、篠島ならではの独特な集落空間を生み出している。
集落町並みWalker
http://www.shurakumachinami.natsu.gs/hyoshi/index.htm
1件のコメント
衝撃 昭和がそのまま保存されたような貴重な村落風景 ずっと残したい