木造3階建ての珍しい集落/ぶら 大屋 和田山(兵庫県)

    A rare village with three-story wooden buildings / Bura-manbo Oya Wadayama (Hyogo)

    養父市大屋町
    兵庫県養父市大屋町大杉は、但馬地方を代表する養蚕集落である。大屋川流域は但馬地域屈指の養蚕地帯として知られ、近代に養蚕業が発展・専業化するなかで、蚕を飼育するための空間を備えた木造三階建の農家主屋が形成された。大杉地区には、こうした養蚕住宅が群として残り、土蔵や納屋、水路、石垣、谷川に沿って営まれた集落環境とともに、山村・養蚕集落としての歴史的風致をよく伝えている。主屋は切妻造平入の瓦葺屋根を基本とし、屋根上には換気のための越屋根を設ける。二階・三階は蚕室として用いられ、大壁造の外壁に掃出し窓を並べる姿が特徴的である。生活の場である住居と、生産の場である養蚕空間が一体となった建物群は、山間地の農家が養蚕を基幹産業として暮らしてきた時代の姿を示している。大杉地区は平成29年、約5.8ヘクタールが「養父市大屋町大杉重要伝統的建造物群保存地区」として選定され、種別は「山村・養蚕集落」とされている。谷筋に沿って三階建の養蚕住宅が連なる景観は、但馬の山村における養蚕文化を今に伝える貴重な町並みである。

    朝来市和田山
    朝来市和田山は、こうした養蚕地域の中心に位置する町である。大屋川流域や周辺山間部で発展した養蚕は、繭や生糸の集散、加工、流通を担う町場と結びつきながら地域経済を支えていた。和田山にはかつて片倉製糸和田山工場が置かれ、但馬内陸部の養蚕・製糸業を象徴する存在であった。鉄道駅にも近い工場は多くの従業員を抱え、操業期には周辺に商店や飲食店、日用品店などが集まり、町の賑わいを生み出した。現在、工場そのものの面影は多く残っていないが、和田山の市街地を歩くと、かつて地域の産業と流通を支えた町場の記憶が各所に感じられる。とくに旧街道沿いには、本卯建を上げた町家が見られる。卯建は本来、隣家への延焼を防ぐための防火壁であったが、やがて商家の格式や財力を示す意匠ともなった。和田山の本卯建の町並みは、養蚕地域を背後に持ち、製糸工場と交通の結節点によって発展した商業地としての歴史を伝えている。山村の養蚕集落である大屋町大杉と、製糸・流通・商業の中心であった和田山を続けて歩くことで、但馬の養蚕文化が、農家の建物だけでなく、町場の繁栄や町並みにも深く関わっていたことが見えてくる。

    集落町並みWalker
    http://www.shurakumachinami.natsu.gs/hyoshi/index.htm

    4件のコメント

    1. I like the old houses, they have their own style & I know some were used for Silkworms because of the roof structures, koshi-yane.

    2. ぶら集落さん、久々にありがとうございます。土壁の色が美しく、建物が格好いいですね。しかし、隅切りで町屋が可哀想ですね。これからは、道路行政も車サイドではなく、町並み・人に心するでしょうね。

    3. そうですね、大屋町の集落は六合村の赤岩地区とよく似た雰囲気だと思いました。でも、大屋町の方がモダンな感じがしたのですがどうでしょうか?

    4. マンボウさん、お疲れ様です。3階建ての元養蚕農家の住宅、景観かっこよく庭の木々ともマッチしているので、是非外観は保存して内はモダンに改装して、若い世帯が住みやすい家や宿泊施設、飲食業に活用できるようにして、これからも末代まで残していって欲しいですね。

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